「緊張してる?」

 「はい」

 「俺も」

 慣れない空気の中、ドキドキが止まらない……

 隣り合わせでビールを飲み、コップをテーブルに置いた時、不意打ちで唇を重ねる誠治さん。

 誠治さんの唇の感触が伝わる。
ビールの香りがした。


 さっきまでの頭の妄想が現実になる時……


 大好きな人の唇が私の唇と重なった。

 ーーキスが止まらないーー

 キスに身体が反応し始める。

 心臓がバクバクして、飛び出しそうだよ…



 唇が離れると……

 「シャワー浴びる?」

 私はコクリと頷いた。

 「お先にどうぞ」

 誠治さんは私を見る。
 私も誠治さんを見た。

 恥じらいに包まれた空気の中、言葉が上手く口から出ない。


 私は無言の合図を送り、浴室へと歩き出した。