溺れる恋は藁をも掴む

 プレゼントも決まり、店を出た。

 喉が渇いたので、ゆっくりお茶する事になった。

 落ち着いた雰囲気の喫茶店を見つけ、私はアイスティーを頼み、誠治さんはアイスコーヒーを頼む。

 今日二度目の向かい合わせの席。

 「プレゼント見つかって良かったですね!
予算オーバーになっちゃいましたけど…」

 「多少は仕方ないよね。
まぁ、あのコートなら通学にも大丈夫だろうしね。
 やっぱり、喜んで貰えるものをあげたいな。
甘いかな?」

 「いいお兄さんだと思います。
妹さん喜んでくれますよ!」

 「華ちゃんのお陰だよ。
俺一人だったら、こそこそクマグッズ買って、
お金を多少袋に入れて、『これで好きなもの買え』になりそう…

  有難うね。

 いいものプレゼントしてやれる」

 「絶対、似合うと思います!」

 「うん」


 このお茶が終わったら、デート終わりかな?
ーーなんだか寂しいーー


 私はゆっくりアイスティーを飲んだ。
 
 ーーまるで、時間稼ぎのようにーー