アイスティーを飲みながら、食後のタバコを吹かすマドカ。

 「今回の合コン収穫は、華と朋美に勝算ありって感じかな…」

 「朋美はともかく、私はただ妹さんのプレゼント選びにお付き合いするだけだし…」

 「それは口実、立派なチャンス!!
弱気にならずに、たまにはチャンスに挑みなさいって!」

 「うん…」


 何度もそう思ったよ。
巡り巡ったチャンスだって。


 「華、
プラスの法則って知ってる?」

 「プラスの法則?」

 「うん」

 「なんだろ?」

 「マイナスに考えているとさ、マイナスのまんまに事が運ぶらしい。
逆にプラスに考えると、上手くいきやすいんだって!」

 「へぇー」

 「華のデートは上手くいく。
 黒崎君と仲良くなれるって思わないとね!」

 「うん…
やるだけやってみる」

 「やるだけやってダメなら、また、姫に合コンをセッティングして貰えばいい!」

 「マドカ…」

 「引き立て役に呼ばれてるんじゃなく、チャンスを運んできてくれる人を、有効に活用して何が悪い?」

 マドカは小悪魔のように微笑む。

 さっきまで優奈の事を散々言っておきながら、その理屈は合わない気がするけど……
そこが面白いんだよね!

 もてない女はどんなチャンスだって、藁を掴む気持ちで挑む。
余裕な気持ちで合コンをするモテ女とは、思考回路が違うのだ。


 私も笑う。


 笑ってしまえば、性格の悪さも隠れてゆくような気がした。


 「あはは」

 こんな時は、笑うに限る。

 モテない女のランチタイムは、こうして毒を吐きながらも、ケースバイケースを考えながら、恋を成就させる作戦を密かに練っていたりもする……

 ーー恐ろしや、女!ーー