『今日は、本当におめでとう!』
私と幸治さんは、お父さんとお母さんと一緒にレストランで軽く食事を始めた。
『かなちゃん、今日は疲れちゃったでしょ?』
お母さんが優しく声をかけてくれる。
「はい、正直なところ。
でも式が終わっても、ずっとドレスを着ていたいって思いました。
このまま時間が止まればいいのにって、思っていました。」
『そうよね、女の人が一生で一番輝ける日だものね。』
『今日は早く帰って、ゆっくり家で休みなさい。』
お父さんが言う。
『旅行は明後日からだよな?』
「あぁ、明後日から。沖縄に。」
『いいなぁ、沖縄。お父さんたちも行きたいよ。』
「はっ!?一緒に来たりしないよな?」
『まぁ、どうだか。』
「冗談に聞こえない・・・・・・。」
『大丈夫よっ。私たちは明後日にはアメリカに戻らないといけないから。』
お母さんがフォローしてくれて、ようやく幸治さんに安堵の表情が現れた。
でもお父さんなら、私より先に現地にいて、私たちを出迎えそう。
まぁ、それもいいけど。
「親父の仕事はどんな感じ?」
『今の研究がもう終わりそうなんだ。
そしたら、日本へ戻って来る予定だ。』
『そうなの。戻ってきたら、何でも頼ってくれていいからね。』
お母さんが私を見る。
「ありがとうございます。4月から仕事が始まるので、家のことが心配でした。」
『いつになるか分からないけどね、早く終わったら、すぐにでも帰って来るからね。』
お父さんも声をかけてくれた。
私たちは、遅くならないようにと、食事を食べたらレストランを出て、お父さんたちと別れた。
今日は本当に幸せな一日だった。



