「おはようございます。」
次々に出勤してくる先生方に挨拶をしてコーヒーやお茶を出す。
そこに幸治さんと石川先生が出勤された。
「あれ?佐藤、何で出勤してんだ?」
挨拶する前に、石川先生が口を開いた。
え?どういうこと?
「かな、ちょっといいか?」
幸治さんが慌てた様子で私を呼ぶ。
そこに、医局長がやってきた。
「おはようございまーす。」
医局長に向かって、口々に皆が挨拶する。
「佐藤・・・・・・。」
そういわれ、幸治さんに呼ばれてたけど、医局長の席に行く。
「何も聞いてないか?」
え?医局長まで?
「はい・・・・・・。」
「そうか。
佐藤の残りの研修は、しばらく延期だ。」
えっ!?
「あの・・・・・・。
どういうことですか?」
訳が分からない。
なぜ急に!?
「昨日の健診結果を聞いてないみたいだな。」
医局長がチラッと私の後ろの方に目をやった。
きっと幸治さんだろう。
医局長の口から出てきた「健診結果」という言葉を聞いて、すぐに理解した。
理解したものの、そのあと言葉も出なければ、医局長前から動けないでいた。
「しばらく体を休めろ。それからだって遅くない。
なっ?」
「・・・・・・。」
ただ呆然と立ちすくむ私は、後ろから手を引かれ、自分の席についた。
手を引いたのは幸治さんだった。