朝、夜明けとともに朝倉・浅井連合軍が動き出したの見て、こちらも動き出したのだった。
こちらの方が隊は大きい。長引けば向こうに不利な状況だった。
だがやはり被害が甚大になるのが分かっていたのだろう。木下殿の顔はどこまでも険しかった。

「木下殿、浅井家布陣は広く伸びきっている模様。外側から叩くのが良いかと。」

そう進言すると木下殿はようやく口角を上げてくれた。

「さすがは半兵衛。その案すぐに大殿に伝えよう。」

すぐに大殿に伝わり、案は飲んでもらえたようだった。野村の方に来た浅井家を布陣の外側から徐々に叩いていく。
布陣は脆く両側から徐々に叩かれ浅井家は徐々に減っていた。

「朝倉家が敗走した模様!」

徳川殿の隊が朝倉家を倒し敗走に追い込んだようだった。こちらもすぐに浅井家を敗走に追い込んでいた。