「ヘアピンをもらった次の日、引っ越したんだ」
「なんで一言も言ってくれなかったの?」
「……言ったらお前、泣くだろ?」
再び顔を私に向けた恭弥は、切なそうに苦しそうに笑っていた。
私のことを思って、何も言わずに行ってしまったの……?
「お前の泣き顔なんて見たくなかったし、それにいつかまた会えるって信じてたから」
恭弥……。
恭弥の信じる気持ちのおかげで、私たちはまた巡り会えたのかもしれないね。
「あの時の誓い、覚えてるか?」
「……うん、覚えてるよ」
忘れたときなんて、一度もなかった。
いつだって心の片隅には、あっちゃんから私への誓いがあった。
『――俺がお前を守るから!』
子どもながらに言ってくれた、ちっぽけで可愛い、私への気持ちで溢れた誓い。
「あの時は守れなかったけど、今度こそお前を守る。だから、俺のそばから離れんなよ?」
成長して大きくなった初恋の人は、その誓いを守るために強くなって、今私の目の前にいる。
とても頼もしくてあったかくて優しいけど、ちょっとバカで喧嘩腰なところがある私のナイト。



