私は、無意識にそう呼んでいた。
懐かしい、初恋の人の名前を。
ねぇ、恭弥。
あなたは、……あっちゃん、なの?
「やっと気づいたか。遅ぇよ、バーカ」
恭弥は少しだけこちらに顔を向けて、柔らかく微笑む。
薄い紅色に染まった頬が、とても可愛らしかった。
「……本当に?」
「久し振りだな、ゆーちゃん」
恭弥はすぐに顔を前へと向き直して、幼い頃呼んでいたあだ名を呟くように言った。
「いつから気づいてた?私がゆーちゃんだって」
「最初から」
話したいことがたくさんある。
だけど、うまく言葉にできなくて、私は恭弥の肩におでこを乗せた。
「どうして、いなくなったの?」
今にも泣きそうなくらい震えた声に、自分でも驚いた。
熱があるせいだと自分に言い訳をしながら、恭弥の言葉を待つ。



