「……うん」
岳斗の声は私の心に流れ込むように入ってくる。私を抱きしめるかのようなその声を聞いただけで、どうしてこんなにもあったかくなるんだろう。
「あいつ……」
指で毛先をくるくるさせてあそぶ私を見て、恭弥がボソッと独り言を呟いた。
「恭弥?」
「あ、いや……っ、本当に大丈夫なのかよ」
恭弥の視線に気づいた私が声をかけると、恭弥は目を泳がせながらそう言った。
皆、心配性だなぁ。
「大丈夫だって!」
「……そ、うか」
私が皆の心配を吹き飛ばすように笑って言うと、恭弥は私を疑いの眼差しで見続けたままそう呟いた。
恭弥の様子がいつもと違うような……。気のせい、かな?
しばらくして、お昼休憩を取ることにした私たち。
「あ、先に食べてて?このファイル、資料室に戻してくるから」
「じゃあ俺も一緒に行く」
私が、夏休みも営業している購買で買ってきた全員分のパンをテーブルの上に出して食べ始めようとしていた皆にそう一言言って生徒会室を出ようとすると、恭弥はそう言って私が持っていたファイルを持ってくれた。



