「大丈夫。ほら、この通り元気だよ!」
私は演技で体調不良を隠しながら、ブイサインをして明るく言った。
そんな私を見て、ホッと肩を下ろす蜜。
どうやらうまくごまかせたみたいだ。よかった、演技だと気づかれなくて。
「本当に大丈夫なの?」
眉を下げて聞いたのは、ファイルを整理している利央。
私は毛先を指でいじりながら、元気な笑顔を向ける。
「ダイジョーブ!!」
「それならいいんだけど……。具合悪くなったらいつでも言ってね?」
「うん、ありがと」
利央はまだ不安げな表情をしながら、私に優しく言った。
きっと大丈夫だ。演技をしているうちに、いつの間にか“本当”になるかもしれないし。
それに、演技はしていても喉の痛みや頭痛は治らないけど、気づいたらその痛みが消えている可能性だってあるしね。
「無理すんじゃねぇぞ」
私も仕事を始めようと資料を手に取ると、岳斗がパソコンのキーを打ちながら言った。



