下っ端の奴ら……?
そういえば幹部室に来るまで、誰ひとりとして会わなかった。
洋館の中の豪華に気を取られてあんまり気にしなかったけど、いつもなら多くの不良さんがここにいるんだよね。
そう思うと少し緊張がほぐれてくる。まるでまだ生徒会室にいるみたいで、強ばっていた表情がだんだんと柔らかくなっていった。
「アイスコーヒーいる?」
ソファから離れた利央さんが、皆にそう聞いた。
「いる」
「俺、紅茶~」
「僕は砂糖多めね!」
「利央さん、ありがとう」
皆の注文を聞いた利央さんは優しく微笑むと、慣れてる手つきでコーヒーと紅茶を淹れてくれた。
利央さんは皆の前に注文通りのものが入ったコップを置く。
さりげなく皆の飲み物を準備してくれるなんて、やっぱり利央さんって女子力高いなぁ。
「ねぇ、由楽」
「?」
「いつになったらあたしのこと、“利央”って呼んでくれるの?」
利央さんが用意してくれたアイスコーヒーを飲んでいる私に、利央さんがいきなりそう聞いてきた。
呼び捨てで呼ばれるの、待ってたんだ……。



