――そして、今日から夏休み。
とはいっても、生徒会の仕事があるので、いつもと変わらず学校へ行く。
「あ、おはよう」
昨日までと違うことをしいて言えば、学校に着いて向かう先が教室ではなく生徒会室であるということくらい。
生徒会室に入ると、風通しがいいのかとても涼しかった。草花のグリーン効果かな?
「おはよう、蜜くん。……あれ?どうしたのその傷」
私に挨拶をしてくれた蜜くんに挨拶を返した私は、蜜くんの頬にある傷に気づきそっと触れる。
蜜くんはなぜか頬をほんのりと赤くしながら、目を泳がせた。
「これは………」
もしかして、喧嘩……?
いつも一緒にいるせいで、うっかり忘れそうになるけど、生徒会のメンバーって私以外は全員暴走族に入ってて、しかもすごく強いんだよね。
そのせいで、よく喧嘩に巻き込まれたりするのかな?
私と目を合わせないようにしている蜜くんは、なんとかごまかそうとするみたいに気まずげな顔をする。
私に心配かけないために、「喧嘩したときにできた傷」だって言わないのかな?
……しょうがないなあ。
「蜜くん」
私はポケットから絆創膏を一枚取り出し、蜜くんの頬にペタリと貼る。
「あんまり無茶しちゃダメだよ?」
怪我しないで、なんて言えない。どうして喧嘩したの?、なんて聞けない。
私には蜜くんたちがいる世界のことは、わからないから。



