蜜くんが岳斗さんにあんなに懐いていた理由がわかった。
だから蜜くんは岳斗さんには特別な笑顔を見せるんだね。
「沖田たちが岳斗に怯えて逃げて、岳斗が僕に『大丈夫か?』って手を差し伸べてくれたんだ。その時、僕もこんなふうになりたいって思った。弱いままじゃダメだ、強くならなきゃって」
蜜くんはどこまでも広がる空を眺めながら、呟くように言った。
蜜くんは、岳斗さんに出会って変わったんだね。“今”の強い蜜くんに。
「それで、僕は岳斗のいる神雷に入って、強くなるために鍛えて、幹部にまでなったんだ」
苦しくて辛い思いをしたからこそ、蜜くんは弱い心を持った人の気持ちがわかる、強い人になったんだね。
蜜くんはすごい。暗い過去さえも踏み台にして、今真っ直ぐ前を向いて歩んでいるんだから。
「蜜くん、話してくれてありがとう」
「僕こそありがとう」
え?なんで蜜くんもお礼を……?
私が目をパチパチさせると、蜜くんはふわりと微笑んだ。
「実はずっと気になってたんだ。僕、こんな外見だし元いじめられっ子だし、由楽に嫌われたらどうしようって」



