「気持ちいいね」
「うん……」
二人だけの屋上。
澄んだ青空が、私たちを見て微笑んでいるみたいだ。
「ここでなら話せる?」
「え?」
「二人きりのこの場所なら、緊張せずに話せるかなぁって思って。あはは、余計のお世話だったかな?」
私が笑いながらそう言うと、蜜くんはそんなことないと言うように首を横に振った。
「私、蜜くんのことをもっともっと知りたい。どんなことだって受け止めるよ。だから……蜜くんのこと、聞かせてくれる?」
「由楽……」
私が優しく言うと、蜜くんは瞳を潤ませてゆっくりと頷いた。
「話し終わったら、岳斗さんたちの映画を見に行こっか」
目を細めてそう言う私を見て微笑んだ蜜くんの瞳が、真っ直ぐなものへと変わる。その真剣な眼差しは、はっきりと私を捉えた。
瞬間、ふわっと柔らかな風が吹き、私の髪をさらっていった。



