蜜くんは目尻をくしゃっとさせて、いつもみたいに明るく笑った。
その笑顔を見て、私はホッとする。
「さっきの男の子たちって……」
「中学の同級生だよ」
蜜くんは友達とは答えずに、同級生と答えた。
俯く蜜くんの表情はよく見えなかったけれど、どこか寂しげで辛そうだった。
「実は、僕……」
「何?」
「……っ」
蜜くんが何かを話そうとしてくれているのはわかった。けれど、蜜くんは紡ごうとした言葉を呑み込んで、また言おうとして、その繰り返しだった。
蜜くんが一歩、私に歩み寄ろうとしてくれているんだ。でも、戸惑って、一歩進んだらまた一歩下がっている。
せっかく蜜くんが一歩踏み出そうとしてくれているんだ。私からも歩み寄らないと。
「ねぇ、蜜くん。屋上、行かない?」
「屋上?」
私は蜜くんの手を引っ張り、屋上へ向かった。
屋上の扉を開けると、涼しい風が頬をくすぐる。



