「そういえば」
二つ目のたこ焼きを食べようとした私の方を見て、蜜くんが呟く。
なあに?と視線で言いながら、私は蜜くんと目を合わせた。
「そのコスプレ、似合ってる。可愛いよ」
ポロッと思わずたこ焼きを落としそうになり、慌てて口の中に入れる。
不思議の国のアリスの衣装を着た私に、いきなり「可愛い」なんて……!
確かに衣装は可愛いけど!!
「あ、ありがとう。お世辞嬉しい」
私は動揺しながらも、頬を赤くして微笑む。
お世辞に決まってるよね。お世辞じゃなかったら、“私が”可愛いんじゃなくて、“衣装が”可愛いってことだよね。きっと、そうだ。
「お世辞じゃないんだけどなぁ」
わざとらしくため息を吐きながら呟いた蜜くん。
けれど、私はその呟きをはっきりと聞き取ることができなかった。
「あ、あの!スタンプ、押してもらっていいですか!?」
たこ焼きを食べ終えた頃、派手めな女の子が蜜くんにスタンプカードを差し出した。
生徒会企画の参加者だ。参加してくれて嬉しいなぁ。
でも、蜜くんだけじゃなくて私も生徒会役員なんですけど……。
そう言おうとしたけど、女の子のハートマークになっていた目には蜜くんしか映っていなくて、私の存在を言うと睨まれそうだったからやめておいた。



