――お昼近くになって、私と蜜くんは持ち場をクラスメイトに任せて、スタンプラリーがてら文化祭を回ることに。
「何か食べようか」
「そうだね。何食べる?」
コスプレ喫茶で着ていた衣装をそのままにして、私と蜜くんはまずランチにすることにした。
文化祭らしいお祭り雰囲気の校舎内をうろうろしていると、食べ物ランドという出し物をしているクラスの中にたこ焼きの屋台を見つけた。
「たこ焼き食べない?」
私が指差しながら言うと、蜜くんは「いいよ」と頷いた。
たこ焼きを買って、隅にあるテーブルで食べることにした。
うぅ……。女の子の視線が痛い。
コスプレをしている蜜くんの隣で食べている私に向けられた、嫉妬や怒りのこもった女の子の視線がナイフのように突き刺さる。
こそこそっとこちらを見ながら女の子が何かを話している声もうっすらと聞こえてきて、「私なんかがごめんなさい!」と大声で言いそうになる。
「……由楽、どうしたの?」
ほっかほかのたこ焼きを頬張りながら、蜜くんが私に尋ねる。
やっぱり可愛いなぁ、蜜くん。
折れかけていた心が、蜜くんの可愛さに癒されて治っていくみたい。
「なんでもないよ!」
私はあからさまにごまかしながら、まだ湯気が立っているたこ焼きを一口食べる。
熱いけど美味しい!



