さらっと言った蜜くんの殺し文句に、私の心音は高鳴る。
特別な意味なんて全くないとはわかっていても、ついドキッとしてしまう。
「……岳斗?な、なんで睨んでるの!?」
そんな私たちの方をなぜか鋭い視線で見ていた岳斗さんに気づいて、焦った蜜くんは顔を青くする。
も、もしかして仕事をサボって話をしていたから怒ってるのかな……!?
「………なんでもねぇ」
心の中で慌てていると、岳斗さんはポツリと呟いて視線を自分の手元へと移した。
あれ?てっきり怒られると思ったんだけど……。
「岳斗ったら……ふふ」
岳斗さんのよくわからない行動を、どうやら利央さんだけがわかったらしく、小さくそう呟いて笑っていた。
「まぁ、そうなっちゃうのもわかるけどね」
「利央さん?」
目を細めながら利央さんが、私を見つめる。
その視線は意味深に光って、その奥のどこかで熱い何かを隠しているようだった。
「あなたも大変ね」
利央さんが呟いたのは、この前望空さんが言った言葉と同じものだった。
大変って、何が……?



