そんなに不良さんの間ではお父さんは有名なのかな?
お父さんが不良さんだった頃なんて随分前の話なのに、私と同じ年の人が知っているなんて、よっぽどすごかったんだろうな。
「はい、本当ですよ」
私がそう応えると、さらに生徒会の皆さんの目が生き生きとして、まるで興奮しているようだった。
「双雷を全国レベルの強さにしたことで有名な“侍”が父親なんて、羨ましいぜ!!」
「神雷では望空さんに続く最強の総長だと言われてるわよね」
「しかも族を引退しても、映画監督として名を轟かせた人だよ!?僕達不良にとっては永遠の憧れだよねっ」
お父さんのことについて熱く語る三人。
雅さんは十字架のネックレスを大事そうに見つめていた。
こんなにもお父さんを好きでいてくれる人がいたなんて、知らなかった。
あぁ、嬉しいな。
お父さんの生きた証が、こんなにも根強く残っていて。
「風都由楽」
「……はい、なんですか?」
そんな熱く盛り上がっている三人とは真逆に、顔色一つ変えずに私の名前を呼んだ雅さん。
「お前を生徒会庶務に任命する」
何を言われるかとドキドキしていたが、予想を遥かに超える雅さんの発言に、私は何十秒か固まってしまった。



