「へぇ、合気道できるんだ」
「うん。お父さんに自分の身は自分で守れなきゃダメだ!って言われて、小3から中2までやってたの」
優木くんの言葉に、私は笑顔でそう言う。
お父さんとお母さんが亡くなる前まで続けていた合気道。それを辞めたのは、続けるお金がなかったからということもあったけれど、続けようという意欲がなかったから。
お父さんとお母さんが天国に行ってから一年間くらいは、作り笑顔はできても今みたいに心から笑うことはできず、ただただ喪失感でいっぱいだった。
「……風都、由楽」
優木くんと話しているとき、赤羽さんがボソッと驚いたような表情で呟いたその声は、私には聞こえなかった。
「おい」
両親のことを思い出していると、雅さんに声をかけられた。
「は、はい?」
「お前の父親って、あの“侍”か?」
探るような視線で私を見つめながら、雅さんは先ほどよりも低い声で尋ねた。
私は「そうですけど……」と頷くと、生徒会メンバーの目がキラキラと輝きだした。
「マジかよ!」
「“侍”って……ホントに!?あの風都誠一郎さん?」
「本当なの?」



