「……岳斗が女子を招待、ねぇ」


「やっべ、聞いてなかった!なあ、誰を招待するって?」




利央がポツリと呟いて興味深そうに微笑む。


誰かからメールが届いて返信をしていた恭弥は、どうやら俺の言葉を聞いていなかったらしく、隣の蜜にそう聞いていた。



「聞いてなかったの?それとも、耳が遠くなったの?」


「遠くなってねぇわ、ボケ!!で、誰なんだよ」


「さあ~?」


「教えろよ!」


「誠心誠意謝ってくれたら、教えてあげてもいいけど?」



恭弥と蜜が言い争いを再開させ、利央はさらに楽しそうに目を細める。





たったひとつの小さな出会いがいずれ大きな運命を動かす歯車になることに、今の俺たちは気づいていない。


自分の中に甘い感情があることを知った俺は、放課後を待ち望むようにフッと口角を上げた。





危険な生徒会に極上な時間と刺激が訪れる瞬間まで、あとわずか。






~終~