俺は利央の問いかけには答えず、利央にそう頼んだ。
言い合っていた恭弥と蜜が、俺の言葉を聞いてピタリと口喧嘩を止める。
「岳斗がそんなこと頼むなんて、珍しいこともあるもんだな」
「誰を招待するの?」
目を丸くした恭弥と、前のめりになって聞いてきた蜜。
利央は首をかしげて俺を見ていた。
生徒会に招待してほしいと利央に頼んだのは、理由がある。
「1年A組に在籍している風都由楽だ」
それは、女子が頼みに行ったほうが恐れを感じないと思ったから。……まあ、利央は女装をしている男子だが、利央を男だと知る者は少ない。
「由楽を?」
「あぁ。……嫌か?」
「ううん!由楽なら大歓迎!」
キョトンとした顔をした蜜にそう聞くと、蜜は嬉しそうな笑顔を浮かべた。