あいつは……昨日目が止まった奴だ。
この学校に似合わないその制服を一切着崩していない清楚な女子生徒のことを、俺の頭はなぜか覚えていた。
まただ。ただそいつを見ただけなのに、心の中がざわめく。
「お前、名前は?」
「か、風都由楽です……」
俺が名前を尋ねると、女子生徒は戸惑いながらもそう言った。
「風都?」
女子生徒の名前を聞いた俺は、一瞬目を見開く。
風都って、もしかして……。
俺はある予感を感じながら、十字架のネックレスを指先でいじる。
俺の勘はよく当たる。
きっとこの予感も……。
「……行くぞ、蜜」
鋭い瞳で風都由楽を見た俺は、背を向けて歩き出した。
フッと笑みを浮かべて、俺はこれからの日々に期待を寄せた。



