王子様には向いていない俺だけど、好きな子の彼氏にはなりたい。
どんな女の子にだって優しくするけど、好きな子に対してはちょっとからかいたくなる。
「さて、行きますか」
俺はマネージャーに一言告げてから、そう言って桜彩学園の生徒会室へ向かった。
ゆるく軽くをモットーにやってきた俺が、初めて本気になった恋愛。
俺の脳内にある生徒会メンバーの相関図には、もちろん俺も入っていて。
そこには片思いもあれば、両片想いもあって。
いつもなら諦めるところを、本気になった俺は突っ走る。
せめて一瞬でも、好きな子が俺を見てくれたらそれでいい。
そんなことを考えてしまうくらい、俺はベタ惚れなんだ。
やばいな、俺。
早く会いたい、なんて。
早く顔が見たい、なんて。
由楽の声を聞いたあとから一人でニヤけてる俺は、周りから見たら多分“変な奴”。
俺は無意識に歩く速度を上げて、ミルクティー色の髪を揺らしていた。
俺は今、彼女を募集していない。
只今、好きな子を落としている真っ最中。
~終~



