「今日は何して遊ぶ?」
「ゆーちゃんの好きなことでいいぜ」
俺の周りには他人をいじめて楽しんでいる最低な奴らしかいなかった。
だから、ゆーちゃんの純粋な笑顔を見ると眩しく感じる。
「じゃあ、おにごっこしたい!」
「二人じゃ無理だろ」
「あ、そっか……」
ありのままの俺を認めてくれて、素直な気持ちを俺に聞かせてくれて。
出会ったばかりだけど、きっと俺はそんなゆーちゃんに………。
「もっと友達がいればなぁ……」
「大丈夫だよ」
「え?」
「お前は優しい奴だから、すぐに友達100人くらいできるさ」
なんて、口では言ってるけど、本当はそんなこと望んでないんだ。
「100人もいらないよ」
「なんで?」
「あーちゃんと遊ぶ時間がなくなっちゃうから」
あぁ、まったく。いきなりそんなこと言われたら、嬉しくてニヤちまうだろうが。
鈍いゆーちゃんが俺の本音に気づく日が、いつかやってくるのだろうか。
まあ、いいや。今は、楽しく遊べればそれでいい。
その“いつか”が来る日まで、“友達”でいてやろうじゃん。
「で、何して遊ぶんだ?」
「じゃあ、ドッジボール!」
「二人じゃ無理だっつの」
――これは、淡い初恋の思い出。
~終~