「こんなの舐めときゃ治るって!」



俺の言葉は信用ならないみたいで、ゆーちゃんは強引に俺の腕を引っ張るとベンチに座らせた。



「ゆ、ゆーちゃん?」



パチパチと瞬きをする俺。


ゆーちゃんはポケットから絆創膏を取り出して、俺の頬にできたかすり傷の上にペタッと貼った。




「痛いの痛いのとんでけー!」




絆創膏にそっと触れたゆーちゃんは優しい声でそう言ったあと、恥ずかしくなったのか顔を赤くした。


恥ずかしがり屋で消極的なゆーちゃんが、強引なことをしてさらには大きな声で「痛いの痛いのとんでけ」って言った……。


俺のために、頑張ってしてくれたんだ。




「ありがとな、ゆーちゃん」




ゆーちゃんの温かな優しさが嬉しくて、ゆーちゃんの照れた顔が愛しくて、俺はニッと笑みを向けると、ゆーちゃんはえへへっと可愛らしく微笑んだ。



ゆーちゃんは、すごくいい奴だ。


クラスのクソな奴らは目つきが怖い俺から距離を取っていたのに、ゆーちゃんは事情も聞かずに傷を負った俺に怖がることもなく手当てをしてくれた。


お人好しで小心者で真っ直ぐで頑張り屋で、ゆーちゃんのことを知れば知るほど、もっと仲良くなりたいと思う。