林はどれだけ辛くても、教室で泣いたことはなかった。
弱そうなくせに、そういうところは強いんだなって思う。
「なんでこんなにいい奴をいじめるんだろうな」
俺が自分の後ろ首に手を回しながら、思ったことを口にする。
林は目を伏せながら、
「僕が暗いから……」
と独り言のように呟いた。
「ずっとこのままでいいのかよ」
「しょうがないよ……」
「いつも自分にそう言い聞かせてんのか?」
仕方ない、仕方ない。そう言って、いじめられている現実から目を背けてるのか?
本当に、それでいいのか?
「だって、どうせ僕なんかを助けてくれる人なんて……っ」
「いるじゃねぇか」
「え?」
涙目になった林に、俺はニッと笑みをこぼして自分を指差す。



