――そして、今。
「すごかったね、映画!」
「うんうんっ!特にラストの岳斗が、超かっこよかった!!」
映画を見終えた僕と由楽が映画の感想を熱く語り合っていると、視聴覚室に岳斗たちがやってきた。
「二人とも、映画どうだった?」
「「最高!!」」
笑顔で聞いてきた利央に、僕と由楽は声を揃えてそう言った。
中学三年の冬に僕は幹部に昇格し、やっと岳斗のいる場所に追いついた。
今では僕は、“神雷の総長の弟”と呼ばれるほど強くなった。
「俺様はどうだった?かっこよかっただろ?」
「恭弥出てた?」
「出てるわ、アホ!超重要人物だっつの!!」
「僕、岳斗しか見てなかったからわかんない」
「嘘つけ!ガリ勉チビ!!」
「うるさい能天気バカ!!」