『雅岳斗だ』
その名前は、僕でも聞いたことがあった。
神雷の新しい総長で、雅財閥の跡取り息子。
そんなすごい人が目の前にいるなんて……!
『お前は?』
『え?』
『名前』
『ゆ、優木蜜です……』
『蜜か。……強くなれよ』
岳斗は僕の名前を聞くと、ぐしゃっと僕の髪を乱すように撫でた。
岳斗のその一言を聞いた単純な僕は、強くなりたいと心の底から思った。
あの人の隣にいても恥ずかしくないようなそんな人間になりたい。
もう二度と沖田たちなんかにいじめられないような、そんな強い人間になってみせる!
そう思った僕は、早速強くなる方法を探した。
空手や柔道など、時間が許す限りできるだけ多くの武術を習った。
他にも山を登ったりジョギングしたり、とにかくできることをコツコツとやっていった。



