キスの雨が降り終わり、私と岳斗はおでこをコツンとくっつける。




「ずっとそばにいてくれる……?」




不安げに聞いた私の声は、いつもより少し高かった。


岳斗は震える私の心を抱きしめるように、ギュッと私の手を握る。




「あぁ。お前が離れようとしても絶対に離さない」




永遠を誓うような岳斗の言葉に、私はふわりと微笑む。


永遠なんて存在しないことは痛いくらいわかっているのに、岳斗の言葉を信じてしまうのはどうしてなんだろう。


私は岳斗の想いに応えるように、岳斗の手を握り返した。


もう独りにはなりたくない。岳斗の隣にいたい。そして、今日みたいに皆とずっと笑っていたい。


私の願いは、叶うだろうか。




「岳斗、大好き」




明日のことなんてわからない。


また泣いてしまうかもしれない。辛い思いをする日がまたいつか訪れるかもしれない。


それでも、私は素直でいよう。


今この瞬間の幸せを手放さないように、素敵な奇跡を分かち合うように。



私が岳斗に再び愛を伝えると、岳斗は私の耳に口を寄せて私にしか聞こえないように小さく囁いた。





「愛してる」






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