「『こいつは俺がもらう』って言ってくれて、すごく嬉しかった」
まるでプロポーズみたいな言い方に、思い出すと今更ながら照れてしまう。
特別な意味なんて無いことくらい、ちゃんとわかってる。
だけど、愛しい人にそう言われたら、きっと誰だって自惚れてしまう。
「でも、私を引き取ることをよく岳斗のおばあさんが許してくれたね」
「俺が今まで以上に稽古を頑張ることを条件に承諾してくれたんだ」
そうだったんだ……。
私のためにそこまでしてくれたんだ。
皆にどれだけお礼を言っても足りないな。
「私って、雅財閥の養子になるの?あ、てことは“雅由楽”になるってこと?」
「いや、養子じゃない。居候みたいなもんだ。だから名前は変わらず、“風都”のままだ」
ふとした疑問を口にした私にそう言った岳斗は、「それに」と続けて話す。
「養子にしたら後々面倒になるからな」
「……え?」
「どうせお前は“雅由楽”になるんだし」
「…………え??」



