これは、夢なんかじゃないよね?
岳斗に抱きしめられているこの温度がはっきりと言っている。これは現実だと。
「ありがとう……っ」
大粒の涙が、頬を滑って落ちた。
温かなその涙を、岳斗は優しげな顔ですくうように拭ってくれた。
「皆、ありがとう!」
私は涙を流しながら、幸せを噛み締めるように笑った。
お父さん、お母さん。
私、いい仲間に囲まれて幸せだよ。
「由楽、これから洋館に行って昨日みたいにパーティーしようよ!」
「パーティー?」
「いいな、それ!由楽救出大作戦成功を祝して飲み明かすか!」
「じゃあケーキでも焼こうかな」
そんな会話をしていると、岳斗が私の手をぎゅっと握った。岳斗の体温はとても温かくて、涙でいっぱいだった心を安心させるようだった。
「行くぞ」
そう言って岳斗は、私を連れて私の部屋を出ようとした。
三人もそんな岳斗に続いて歩き始める。



