「証拠ならありますよ?」
そう言ったのは、ハニーブラウンの瞳を尖らせている利央だった。
利央は私に「ちょっとごめんね」と囁くと、私の着ているワイシャツのボタンを上の二つだけ外した。
少しだけあらわになった私の肌には、おばさんがつけたいくつもの傷跡があり、鎖骨には先ほどタバコの火をつけられてできた火傷があった。
「これで言い逃れできねぇな。ちなみにここに来る前に警察を呼んどいたから、もう少ししたら来ると思うぜ」
私の体の傷を見て顔を青ざめたおばさんに、恭弥がそう呟いた。
しばらく黙りこんだおばさんは、突然嘲笑ったかと思うと、闇色に染まったおばさんの目が私を捉えた。
「……私が捕まったら、この子は生きていけないわ」
悪魔の囁きが、私の耳に流れ込んでくる。
口元を緩ませたおばさんの支配はまだ、私の震えた心を掴んで放さない。
「私のおかげで生活して来れたのに、私がいなくなったらこの子は路頭に迷い、いつか孤独死するわ。それでもいいの?」
おばさんは、どれだけ私を傷つければ気が済むの?
隠してきた涙に皆は気づいてくれたのに、諦めずに戦おうと決めたばかりなのに、孤独という言葉はいとも簡単に私の心を締め付けさせる。



