「ちょっと……あなたたち!!」
一階からおばさんの声が聞こえてきた。
珍しいな。おばさんが私以外の人に大声を出すなんて。
そういえばインターホンが鳴ってたけど、誰が来たんだろう。
そんなことを考えていると、階段を上ってくる足音が聞こえてきた。
おばさんが来たのかと思ったが、よく耳をすますと一人だけではなく数人の足音で、その足音は私の部屋に近づいてきているようだった。
「勝手に家に入らないでくれる!?」
おばさんはまた声を張り上げて言った。
私以外の人には優しい声を出すおばさんを怒らせるなんて、一体誰がこの家を訪ねてきたんだろう。
すると、足音は私の部屋の前で止まり、ドアノブが回され、私の部屋の扉がゆっくりと開かれた。
「由楽」
私は、この声を知っている。
ずっと聞いていたくなるようなその低い声に、私は今まで何度も愛しさを感じた。
私の世界を180度変えてくれた、大好きな人の声だ。
冷たい涙を流しすぎて腫れてしまった瞳が潤んでいく。
どうして、ここに……?



