お父さん、お母さん、ありがとう。
久し振りに二人に会えて、嬉しかった。
この夢は、私が作った幻想かもしれない。無意識に思い描いた空想かもしれない。
本当はお父さんとお母さんにそう言ってもらいたくて、私が勝手に生み出した世界かもしれない。
だけど、それでもよかった。
きっと私は、ただ二人に甘えたかっただけかもしれない。
お父さんとお母さんの愛に触れて、素直になりたかっただけかもしれない。
あぁ、なんて素敵な夢だったんだろう。
二人が私に教えてくれた。私は決して独りではないことを。
この夢のおかげで、私はまた前を向いて歩ける。辛い日々と向き合える。
大丈夫。
どれだけ傷だらけになっても、今度こそ私は逃げたりしない。
自分自身の気持ちに素直になって、諦めずに戦おう。
――ピンポーン。
インターホンの音で、私は目を覚ました。
窓がないせいで今何時かわからない。私はどのくらい眠っていたんだろう。
立ち上がろうとすると、さっきおばさんにつけられた傷が悲鳴をあげる。
私はその痛みに耐えながら、携帯で時間を確認した。
「……夜7時。もうそんなに経ってたんだ」



