『大丈夫よ』
お母さんはふわりと微笑むと、温かな声でそう言った。
大丈夫じゃない、と私は駄々をこねるみたいに首を横に振る。
『私、お母さんとお父さんのいるところにいきたい……!』
『ダメだ』
私の言葉を聞いたお父さんは、険しい顔つきでそう言った。
どうして?
私はもうあんな辛い時間を過ごしたくないのに、お父さんとお母さんのそばにいたいのに、なんでそれを許してくれないの?
『由楽、本当に辛いだけか?』
『……え?』
私の涙をすくいとるように拭ってくれたお父さんは、私にそう聞いてきた。
『お前のそばにはいつも誰がいた?』
私のそばには……。
私に尋ねたお父さんの言葉を聞いてすぐに脳裏を過ぎったのは、私を痛めつけるおばさんのあの恐い顔ではなく、いつだって私の味方でいてくれる生徒会の皆の笑顔だった。
『私……』
『あぁ、そうだ。お前には、強くて頼もしくて、ピンチのときは一緒に戦ってくれる仲間がいる』
私が言おうとしたことがわかっていたお父さんが、そう言って目を細めた。



