――夕方近くになって、おばさんは私を部屋へと行かせた。
私は脱がされたカーディガンとワイシャツを持って、自分の部屋に入る。
私の部屋には布団とローテーブルしかなく、窓もないため殺風景なその場所には一切光が入ってこない。
私は服を着て、部屋の片隅で足を抱えて座り込み、顔をうずめて声を押し殺して泣いた。
ただただ苦しくて、恐くて、こんな日々がこれからも続くと思うと目の前が真っ暗になる。
「……もう、嫌だ」
そう思うのに、また独りにはなりたくなくて、この家を出ることさえできない。
私は臆病で弱い人間。
生徒会の皆みたいに、強くなれない。
……明日、利央に謝らないと。せっかく作ってくれたプリンがぐちゃぐちゃになっちゃって食べられなかったって、ごめんねって、ちゃんと言わないと。
家ではこんなに辛い思いをして冷たい涙を流しているから、せめて学校では笑顔でいたい。
皆の前では、苦しくて痛いこの気持ちを忘れて、明るい自分でいたい。
私は目を閉じて、ツーと涙を流す。
そのまま現実から離れ、私は再び夢の世界へと意識を手放した。



