「おい、見つかったか?」
笑い合っている私たちに誰かが声をかけてきた。
声のした方に顔を向けると、そこには生徒会長の姿が。
うわ……。
近くで見ると本当にかっこいい。
無愛想だけど、きっとそんなところも女の子たちのハートを鷲掴みにしているんだろうなぁ。
「岳斗!!」
優木くんはまるで子犬のような可愛らしい笑顔で、生徒会長の元へ駆け寄った。
さっき見せた笑顔とは大違い。
人懐っこくて無邪気で、別人みたい……。
その笑顔を見ただけでわかる。優木くんの生徒会長のことが大好きという気持ちが。
「クラスメイトが探すのを手伝ってくれたんだ」
優木くんがそう言うと、生徒会長の視線が私に移された。
生徒会長の瞳に私が映った瞬間、心の中で風がざわめいたような感覚になった。
「お前、名前は?」
「か、風都由楽です……」
「風都?」
私の名前を聞いた生徒会長は、一瞬目を見開いた。
生徒会長は十字架のネックレスを指でいじりながら、鋭い瞳で私を見る。