「おい、風都!聞いてるか?」
一之江先生の注意の声で、私はハッと我に返る。
私は立ち上がって「すみません」と謝ろうとしたとき、クラッと視界が揺れて立ちくらみした。
こめかみを抑えて、私は机に片手を置いて支えるようにして立つ。
「大丈夫か!?」
青白い顔をしている私を心配して、一之江先生が駆け寄ってきた。
ふと蜜の方を見ると、蜜は眉を下げてこちらを見ていた。
……心配しないで、蜜。私は大丈夫。だから、そんな表情はしないで?
「風都、保健室行ってこい」
「だ、大丈夫です」
「いいから、行ってこい」
一之江先生の言葉に甘えて、私は保健室に行くことにした。
教室を出て保健室に向かう途中の廊下で、たまたま望空さんと会った。
「あら、どうしたの?まだ授業中のはずだけど」
「あ、あの、保健室に……」
「保健医なら今出張でいないわよ。それにしてもあなた、ひどい顔色ね。……そうだ、学園長室に来るといいわ」
「え?」
「代理だけどあたしの部屋だし、ゆっくりできるベットもあるし、ちょうどいいでしょ?」