いつもは服で隠れて周りからは見えないところに暴力を振るうのに、門限を破ったからか、おばさんは何度も何度も私の両頬を叩いた。


痛いと言っても私を殴るその手を止めることはなくて、助けてと誰かに手を伸ばしても誰もその手をとってはくれない。


この家では、私の居場所なんてどこにもない。私が何をしても無駄で、おばさんの支配下にいることは変わらない。




「夕飯と明日の朝食は抜きだからね」




何十分かしてようやく頬を叩く手を止めたおばさんは、そう言い残してリビングへと行った。


表向きは愛想のいいおばさんだけど、裏側では私を傷つけて楽しんでいるおばさん。



おばさんにお世話になっている身なんだから、おばさんの言うことは聞かなくちゃ。


たとえどれだけおばさんが私を嫌っても、私みたいな子どもはどうすることもできない。


自分で生きていく方法すらわからない私にとって、帰る場所はここしかない。


耐えなくちゃ。




もしかしたら、いつかおばさんが私を認めてくれる日が来るかもしれない。


その日まで、頑張らなくちゃ。








――次の日。


昨日はいつもよりおばさんが私に暴力を振るう時間が長くて、体中痣だらけ。


時々痛みが体を襲うけど、なんとか動ける。


皆に心配かけないように、私は痛くても顔には出さずに笑顔を保ち続けた。