「よろしいんですか?」


「雅財閥の後継者に賭けることにしました」




有栖川財閥の社長さんはこれからの未来に期待を寄せるようにそう言った。



「おいクソババア、これで文句ねぇだろ?もう転校させるだのなんだの言わねぇよな?」



岳斗は岳斗のおばあさんにそう聞くと、




「転校の件は白紙に戻しましょう。ですが、これから毎日稽古に励んでもらいますよ!?」




と、岳斗のおばあさんは生き生きとした表情でそう言った。


そんな岳斗のおばあさんの言葉を聞いた岳斗は、フッと口角を上げて「上等」と呟いた。




「や、やったあああ!!」




岳斗が桜彩学園からいなくならないと聞いた途端、蜜は嬉しそうな笑顔で岳斗に飛びついた。



「岳斗、よかったね」


「俺が総長になるチャンスだったのによー」


「恭弥が一番岳斗のこと気にしてたくせに」


「う、うう、うっせ!!」



利央は微笑んで岳斗にそう言って、恭弥の言った言葉に蜜がそうツッコミを入れると、恭弥は照れた顔を逸らした。