「…………あ、あった!」
「え、本当!?」
「はい、これだよね?」
私は泥まみれの手でバイクのキーを優木くんに渡した。
優木くんは私の手をジッと見つめながら、黙り込む。
「あ、ごめんね。こんな汚い手で優木くんの物に触っちゃって」
私は困ったように笑いながら、手を後ろに隠す。
けれど、優木くんはたった今隠した私の手を無理やり引っ張り出した。
「なんで謝るの?」
「なんでって……」
「僕のために一生懸命になってくれたのに、謝らなくていいよ」
私の手を包み込むようにギュッと握った優木くんの手のひらは、私の手よりも大きくてあったかくて、そして優しかった。
「一緒に探してくれてありがとう」
まるで子どものような屈託のない笑顔を向けながら優木くんは言った。
細められた優木くんの濃い青の瞳は、とても澄んでいて綺麗だった。
「私は当たり前のことをしただけだよ。困ったときはお互い様っていうしね」
私も微笑んでそう言うと、優木くんは「やっぱりお人好しだね」と小さく呟いた。



