「今度は僕が岳斗を助ける!!」
中学の頃いじめられていたところを岳斗に助けられた蜜がそう言うと、
「お前は弱ぇから無理無理」
と、恭弥が上から目線に言った。
蜜が「そんなことない!」と反論すると、恭弥は「ガキはここで待ってろ」と言って、いつもの二人の口喧嘩が始まった。
「いっちょやりますか」
そんな二人を横目に、利央が髪を結び直しながら言った。
さっきまでの浮かない顔はもうどこにもない。皆の目には、真っ直ぐな強い輝きを放つ光が。
私は深く深呼吸をして、心臓を落ち着かせた。
「よし、行こう!!」
私の声を合図に、私たちは歩き出した。岳斗を連れ戻すために、岳斗に会うために。
生徒会の扉を開けようとドアノブに触れたその瞬間、――バンッ!と音を立てて開いた扉。
利央が私の腕を引っ張ってくれたおかげで、扉にぶつかりそうになった私と扉との接触事故は起きなかった。
いきなり入ってきたのは誰!?、と視線を上げると……
「はぁ、はぁ……」
なぜか、息を荒くした和服姿の岳斗がいた。
今会いに行こうとしていたのに、なぜ張本人がここに……!?



