「学園長、本当に岳斗はこの学校をやめるんでしょうか」
「岳斗くんのおばあ様は本気でしょうね」
岳斗たちがいなくなって静かになった生徒会室で利央が聞くと、望空さんはため息混じりにそう言った。
岳斗が、いなくなる……。
そう考えただけで、こんなにも辛い気持ちになる。
そんなの、嫌だ。
胸に溢れたその気持ちを刻み込むように、私はギュッと自分の手を強く握り締めた。
――それから、岳斗は学校に来なくなった。
蜜たちの話によると、神雷の洋館にも来ていないらしい。
このまま、もう二度と岳斗に会えないのかな?
岳斗が学校に来なくなって三週間。放課後、岳斗がいるんじゃないかと期待をしながら生徒会室の扉を開けるが、やはり岳斗の姿はない。
生徒会室の空気は悪く、わざと明るくいようとして面白い話をしたり美味しいスイーツを食べて盛り上がろうとしたりするが、一瞬だけ笑顔になってもすぐに暗い顔になってしまう。
生徒会長のいない生徒会……それはまるで1ピース欠けたパズルのよう。
その1ピースがないとパズルは完成しないのに、どこにも見当たらない。



