「雅さん、待ってください!!」
「いいえ、待ちません」
望空さんの言葉におばあさんは聞く耳を持たず、一言そう言い放つ。
雅って、岳斗と同じ苗字だ。もしかして……。
「岳斗さん」
「……何しに来やがった、クソババア」
凛とした姿勢のおばあさんが岳斗を見て岳斗の名前を呼ぶと、岳斗はおばあさんと目を合わせずに言った。
「クソババアとはなんです!自分の祖母に向かって、そんな態度を取っていいと思ってるんですか!?」
祖母……!?やっぱり、岳斗のおばあさんだったんだ。
でも、岳斗のおばあさんがこんなところに何の用なんだろう。
「言いたいことはもっとありますが、今は説教をしている時間はないので、このくらいにしておきましょう」
コホンッと咳払いをした岳斗のおばあさん。
「……岳斗さん、こんな不良学校なんかやめて白園学園に転校しなさい」
私立白園【シラソノ】学園は日本屈指のお金持ち学校で、通っている生徒は大企業の御曹司やお嬢様ばかり。不良さんばかりが通う桜彩学園とは天と地ほどの差があり、いわばエリート学校だ。
そんな学校に、岳斗が転校するの……?
岳斗がこの学校から、この生徒会から、いなくなっちゃうの?



