生徒会室に入ると、抹茶のいい匂いが香ってきた。
「由楽、蜜、今日のおやつは抹茶ロールケーキだよ」
抹茶ロールケーキを切ってお皿にのせながら利央が言った。
わあ、美味しそうだなぁ。早く食べたい!!
東屋の椅子に座って、利央が抹茶ロールケーキを切り終えるのを今か今かと待っていると、
「あ、そうだ。由楽はプール行けないって」
と、恭弥の隣に座った蜜が今思い出しかのように皆に言った。
プールに行けないちゃんとした言い訳を考えること、すっかり忘れてた……。
「なんで?」
「水着持ってないんだって」
「本当にひとつも持ってねぇのか?」
蜜が今朝言った断った理由を言うと、恭弥が疑いの眼差しを毛先をくるくるさせていじっている私に向けた。
うっ……。やっぱりその理由は無理があるよね。
どうしよう。体の傷のことを言えば、その事情まで聞かれるだろうし……。
俯いてなんて言おうか困っていると、またまたタイミング良く生徒会室の扉がバアンッ!!と勢いよく開いた。
その音にびっくりして、反射的に扉の方に顔を向ける。
生徒会室に入ってきたのは、さっき学園長室に入っていった品のあるおばあさんと、そのおばあさんを追いかけてやってきた望空さんだった。



