ただシュークリームの感想を言ってただけなのに、どうして口喧嘩が始まっちゃうんだろう。
やれやれとため息をつくと、利央は私にも感想を聞いてきた。
「シュークリーム甘すぎた?」
「私はこのくらいの甘さの方が好きだよ」
私がそう言うと、利央は嬉しそうに目を細めた。
でも、利央ってシュークリームをこんなに上手に作れるくらい料理うまいんだなぁ。
やっぱり利央は女子力高い。羨ましいな。
「岳斗はどう?」
「美味い」
利央の問いかけに、岳斗は一言で答えた。
すると、岳斗の首元のネックレスのチェーンがプチッと切れてしまった。
反射神経のいい岳斗は、ネックレスが床に落ちるその前にキャッチする。
「が、岳斗のネックレスがぁぁ!!ぼ、僕が、そのネックレス直すよ!」
「お前は超不器用だろうが」
「俺が直すよ。岳斗、それ貸して?」
岳斗よりも慌てている蜜の言葉に冷静なツッコミを入れる恭弥。
手先が不器用な蜜に代わって器用な利央がそう言って、岳斗からネックレスを受け取った。