「いつバラそうかなって思ってたんだけど、なんだかゲームみたいで楽しくなってきて、こんな裏声まで出せるようになっちゃったのよね♪」
シリアスな空気をぶち壊した利央の高い声に、私は乾いた笑みを浮かべる。
「神雷の皆には話してあったけど、神雷に入っていない人には隠してたから、結局は皆のことを騙してたってことになっちゃうんだけど」
利央のハニーブラウンの目に、私が映る。
利央の瞳は、不安げに揺れていた。
「……騙されてたってわかって、怒った?」
私の顔を覗き込むようにして見ながら、利央は尋ねた。
どことなく弱々しいその声は、顔には出さない利央の心を表しているかのようだった。
「怒るわけないじゃん」
「ホント?」
「本当だよ。それに、私今嬉しいんだ」
「え……?」
「利央の本当の姿を知れて、すっごく嬉しい」
今まで、利央は私に壁を作っているような気がしていた。
侵入を拒んでいるようなその壁を感じる度にとても悲しくなって、それでも私を見て優しく微笑む利央の本音がずっとわからないでいた。
だから今、ようやく利央の本心に触れられた気がして、すごく嬉しいんだ。
「話してくれてありがとう」