岳斗の顔を覗き込むと、岳斗の頬がほんのりと赤かった。
その頬は、戦いや応援の熱気によって赤くなったのか、それとも照れて赤くなかったのかわからなかった。
「こっち見てんじゃねぇよ」
私の視線に気づいた岳斗が片手で私の両頬をムニュッと掴んだ。
照れていたように見えた表情はもうどこにもなくて、いつも通り無愛想な顔に戻っている岳斗。
「……ふっ、変な顔」
岳斗は私の両頬を抑えたまま、柔らかな笑みをこぼして呟いた。
ドキッ、と心臓が跳ねる。
そのとろけてしまいそうな笑顔は、どんな女の子でも一瞬で虜にしてしまうような、そんなずるい表情で。
恋に落ちたと錯覚させるくらいの破壊力があるんじゃないかと思ってしまうくらい、私の心も岳斗の笑顔にやられてしまった。
岳斗のせいで変な顔になってるのに、心臓がうるさすぎて何にも言い返せない。
すると、蜜と口喧嘩をしていた恭弥が私の両頬から岳斗の手を離させた。
「きょ、うや……?」
ムカついているような恭弥の表情を見て、私は恭弥の名前を呟く。
どうしてそんな顔をしているの?



