「実は利央はね………」
「おい、てめぇら!俺のかっこいい姿、ちゃんと見てたか!?」
蜜が私の知らないことを教えてくれようとしたとき、騎馬戦から帰ってきた恭弥がテンション高めにそう言った。
た、タイミング悪すぎ……。
「うるさいなあ!僕は岳斗しか見てない!!」
「なんで俺様のこと見てねぇんだよ!」
「興味ないからっ」
「興味持て、バカ野郎!!」
体育祭でも言い争いをするのね、二人とも。でも、喧嘩するほど仲がいいっていうし、ある意味仲良しなのかも。
「あ、岳斗!はい、タオル」
「サンキュ」
「おい、俺の分は!?」
「あるわけないじゃん。ベーッだ」
戻ってきた岳斗にタオルを渡す蜜は、まるで岳斗の彼女のようでふふっと笑ってしまった。
蜜は恭弥に舌を出してそう言うと、恭弥は「はあ?」と顎を突き出す。
「お疲れ様、岳斗。かっこよかったよ」
そんな二人をよそに、私はタオルで汗を拭っている岳斗に笑顔を向けながら言った。
岳斗は一瞬だけ目を見開いて、顔を逸らしながら私の頭を優しく撫でた。
……もしかして、照れ隠し?



